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「、なーんてね」
青い空にぐっと腕を
伸ばして嘲笑う。
これはあくまで夢の話。
前世の記憶が有るのも
彼女が存在していたことも
事実だがもし出逢えたとしても許されるはず無かった。
俺様は彼女を一度、
殺したんだから。
辛いのも苦しいのも
前世に一人想い馳せ
恋い焦がれるのも
全部、全部、自分だけで良い。
彼女が今幸せなら、
逢いたくない。
逢えなくても良かった、のに。
屋上を後にして階段を下りる。教室に戻ろうと廊下を歩いてると前の授業が体育だったのか
ジャージを来ている人達。
ふわりと甘い香がして
振り返れば知らない女の子と
かすががぎこちなくでもどこか楽しそうに話す姿が見えて
自分のクラスなのだと解った。
女の子の後ろ姿が知らないはずなのに酷く懐かしくて、
嬉しくて、哀しくて、切なくて、少し泣きそうになったのを
無視して教室に急いだ。
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