序章

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西暦3000年、地球。海は山々を飲み込み、大陸はその姿を4つ、僅かに残すだけとなった。 世界各国の民族達が残った陸地を争うように大陸へ押し寄せた。そのうちに世界に言語はただ一つとなった。 西暦3000年、地球。そこはもう青を讃えた生命の揺り篭ではなかったのだ。 ある日、一つの国が壮大な「実験」を行う。新人類をこの世に産み落とすこと。新たな能力を授かり、優れた容姿を持つ人類を越えた人類。それを人の手で作り出そうとしたのた。 勿論その実験は失敗した。しかし――― ―――その代償として、人類のかつて経験したことのない謎の物質が地球全体へ散布された。人のみを侵す、病として。 この実験は成功だったのか。それを知る者はいない。何故なら病に侵されなかった「人類」は地球を捨て、次なる星火星へと飛んだからである。 地球に残された「侵されし人類」は、少しずつ、新たな物へと変貌を遂げていく。 西暦3000年、地球。ここは見捨てられし人類の廃棄所となってしまった。
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