第十九章 平北王詩鳴

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牙獲「クッ・・・!! わかった、お前の言う通りにしよう・・・!」 傳仲「ありがとうございます!! 牙武羅! お前は殿のための血路を開くのだ!」 牙武羅「ははっ!! お任せ下さい!!」 傳仲「お前達は殿の周りを私と守り、敵を防ぐ盾となれ!」 近衛兵「ははっ!!」 傳仲はこのような劣勢の中で牙獲を助ける手を講じていた。 傳仲は牙獲が詩鳴に襲いかかり、周りに敵が少なくなる時を待っていたのであった。 牙獲「詩鳴!! 勝負は一時預ける! だが次は必ず殺してやる!! それまでせいぜい生き延びるんだな・・・!!」 そう言うと牙獲は傳仲達と共に走り去っていった。 詩鳴「牙獲、次こそは必ず倒してみせる!」 詩鳴は牙獲の背を見ながらそう心に誓っていた。 流星「牙獲を逃してはならん!! 諸将に伝えろ!! 傳仲は守りの薄い場所を突破し大河を使って逃げるに違いない、その場所は南西のこの場所だ!!」 流星は地図を指差し伝令に伝えた。 伝令「ははっ!! 直ちに伝えます!」 伝令達は次々と駆けて行った。 流星「・・・恐らく討ち取れまい。 しかし傳仲が出てくるとは計算外だったな、やはり奴も優れた王佐の才の持ち主か・・・」
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