第十九章 平北王詩鳴

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詩鳴「軍師殿、私は大丈夫です・・・ それより他の怪我人の手当てを急いで下さい!」 詩鳴の命令により看護兵は怪我人の手当てに向かった。 流星「早く詩鳴様の手当てを!!」 看護兵「はい!!」 看護兵は慌てて詩鳴の手当てをしだした。 流星「詩鳴様!! 私と約束したはずですぞ、決して牙獲と戦わぬと!!」 流星は本気で怒っていた、一歩間違えば詩鳴の命は無くなっていたからである。 詩鳴「すみません流星・・・ しかし兵士達が牙獲に斬り込めば更に多くの命が散ったでしょう。 それに牙獲が目の前に立った事で、私は父の無念を晴らしたくなってしまったのです!」 流星は詩鳴の気持ちが痛いほどわかっていた。 常日頃から詩鳴は牙獲の悪政に苦しむ民と、父の無念に苦しみもがいていたからである。 流星「詩鳴様・・・ お気持ちはわかります、しかしあなたには天下の人民を救う大望があるはずです! ですがこのような事で大事な命を危険に晒してどうするのです? 何卒自重下さいませ!」 詩鳴「ありがとう流星、以後このような真似は致しません」 流星「詩鳴様・・・ ありがとうございます! では私は最後の仕事がありますので失礼致します!」
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