‐突然すぎたプロローグ‐

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 今この場に姿がないという事は、はぐれてしまったのかも知れマセン。  スキマは意外と広いようデスし……。 「というか、スキマにいるって事は……」  スキマがあるという事は、幻想郷が実在するという事で。  その内部にいるという事は…… 「ひょっとして、幻想郷に行ける……!?」  ちょwwwテンション上がってきたwwww  そして唐突に、タイミングを見計らったように空間が罅割れ、光が自分を照らしマシタ。  この先は、きっと……幻想郷。 「…………」  『幻想郷は妖怪の天下』  それは、この先は現世のように安全を保障されていない、という事で。 「………………」  いつ命を失っても、むしろ到着直後に喰い殺されても可笑しくないという事で。 「……………………」  何より、再び現世に帰れる保障だって……。 「……ああもうっ、ここでビビってどうする自分!」  両手で頬を張って気合いを入れ、光を見据える。  すぐにネガティブになるのは、自分の悪い癖デスね。  だいたいこんな所で悩んでたら、それこそ現世に帰れないし、幻想郷にも行けマセン。  さあ、腹を括りマショウか、『ヴェルスング』。 「男は度胸! 何でも試してみるものさぁーーっ!!」  自らを奮い立たせるように声を張り──そのまま、眩い光へと身を投じたのデシタ。
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