朝焼けの様に

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学校。 校門には毎朝恒例と言わんばかりに柄の悪い連中が座っている。 「つーじぃ」 「お?女連れじゃん?」 褝は戸惑った様子で俺を見る。 「っせんだよ。」 通り過ぎようとした時だ。 「きゃっ」 一人が褝の腕を掴んだ。 「よく見れば撫子ちゃん?」 「や、離してく」 「辻なんかほたってさ。俺たちとデートしようぜ?」 ばこっ… 「ってぇ!!」 俺は褝の腕を掴んでた奴を殴った。 「佐野!大丈夫か?」 「っせぇ、辻やろうってのか?」 佐野は俺に掴みかかる。 「あほか。テメェ…俺に喧嘩売るのが早すぎるんだっつの」 相手の胸ぐらを掴み、投げ押した。 ドサッ 佐野はまた倒れてる。 「場数踏んで出直して来い」 褝はぼーっと俺を見てた。 「行くぞ」 俺は、褝の腕を引き校舎へ進んだ。 廊下のあちこちから声が聴こえる。 「おい、阿修羅が撫子の君連れてるぞ」 「嘘だろ?」 「いやぁ、辻くん狙ってたのにぃ…」 「バカ言え。柊さんが辻なんかと」 教室に入り席に着いても声は聴こえた。 「ごめんね。私が一緒に来たから…」 「気にすんな。褝は悪くねぇ…」 (ひがんでるだけだろ…) 授業が始まる。
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