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相変わらず可愛いモノ好きな女だと再確認した。
褝の部屋は、ぬいぐるみでいっぱいだった。
褝をベッドに寝かす。
つくんっ
「は?」
「まぁ、褝ったら」
褝が俺のネクタイを握ったまま離さない。
「光くんなら大丈夫でしょ。暫く居てあげてくれるかしら?…私お昼から用事があるのよ。」
「ぁ、…わかりました。」
佐和子さんは出ていった。
(にしても…)
スカーっと眠る褝。
「生殺しだろ…」
俺は、小さい頃から褝が好きだ。
正直、撫子の君と持て囃されると腹が煮えくり返る。
「はぁっ…熱だけで良かったな」
窓から外を眺めた。
「っくん…ひ、」
「お、大丈夫か?褝?」
「ん~。…」
褝が目を覚ました。
「え、何で辻くんがっ」
「褝が俺のネクタイ離さなかったから、佐和子さんが帰って来るまで居ろって」
褝は自分の左手が握っているネクタイを見て慌てて離した。
「ご、ごめんなさ」
「気にすんな。」
「…………」
「起きてて良いのか?」
「大丈夫」
「じゃ、俺に付き合え」
「え?」
「悪いと思ってんならつれまわされろ」
ぐいっと俺は褝を立ち上がらせた。
「ど、どこに行くの?」
「ドライブだ。」
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