8人が本棚に入れています
本棚に追加
日が暮れ、街中を月明かりの光が仄かに照らす時分。
街外れにあるレンガ造りの一軒の家に壮年の男性と年若い少女がいた。
2人はテーブルに座って夕食を食べながら、穏やかな時間を過ごしていた。
「ねぇ、お父様?明日が何の日か覚えていらっしゃいますか?」
「あぁ、覚えているよ。明日はお前がうちに来た日だろう?」
父と呼ばれた男が少女に答えると、少女は嬉しそうに微笑んだ。
「えぇ、明日は私が初めてお父様にお会いした日ですわ。」
「そうだな。…お前が私の娘になってもう一年が経つのか。時が経つのは早いものだな。」
最初のコメントを投稿しよう!