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―翌日、
男が居間へ顔を出すと、娘がたくさんの食材を並べて料理をしていた。
「おはよう。そんなに食材を並べて一体どうしたんだ?」
「おはようございます、お父様。今日は記念日なので、折角ですからご馳走を作ろうと思ったんです。」
「そうか。それは食事が楽しみだな。」
「えぇ、期待していて下さいね。」
「あぁ。」
男は返事をするとテーブルに座り、張り切っている娘を微笑ましそうに見た。
すると、娘が料理をする手を止めずに話し始めた。
「ねぇ、お父様。どうして一年前、私を引き取って下さったのですか?」
「ん?どうしたんだ急に。」
「前から気になってたんです。」
「そうか。…お前を引き取ったのは、罪滅ぼしなのかもしれんな。」
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