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「…罪滅ぼし?」
娘が首を傾げると、男は苦々しそうに言った。
「…私は元軍人だ。数年前の戦争では沢山の人を殺したよ。
そのせいか親を亡くした子供をみると自分のせいに思えてならないんだよ。それを少しでも償いたかったから親を亡くしたお前を引き取ったんだ。
…私が人殺しと知って、お前はがっかりしたか?」
「…お父様は人を殺した事を悔いているのですか?」
「…いいや。いくら悔やんだとしても、私が殺した命は戻ってはこないからな。悔やむよりも罪を償いたいと思っているよ。」
「…そ、うですか。」
男が答えるを聞いた娘は俯きながら小さな声でぼそりと呟いた。
「悔やみもしないなんて…。」
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