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「…ねぇ、お父様?殺す側の人間は何にも覚えていないのですね。でも、殺された側の人間はそんなに簡単に忘れたりはしませんの。
…お父様が忘れたというのなら、思い出させて差し上げます。私はあなたが殺した村人の娘です。」
娘の笑みが深くなるのとは対照に、男は顔を引きつらせて言った。
「…ま、まさか。そんなはずは…!!」
「私は両親の敵を見間違えたりしません。」
「ゆ、許してくれ!あれは戦争だったんだ!仕方なかったんだ!!」
「お父様?今日は特別な日ですから、私頑張ってご馳走を作りますね。」
「…ひっ!?」
娘が包丁を掲げると、男は引きつった声を出しながら椅子から滑り落ちた。
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