ゼンマイ仕掛けの

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――リィーン、ゴォーン 夕暮れが街をオレンジ色に染める中、 街中に鐘の音が鳴り響く。 途端に人々は等しく帰途につき始めた。 一人の男を除いて。 街の中心に大きくそびえ立つ時計塔は街のシンボルだった。 そしてゼンマイで動く時計は五時になると備え付けの鐘を鳴らす。 その音色は人々にとって仕事の終わりの合図だった。 一人の例外を除いて。
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