True‐start‐

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―志紀SIDE― 「…は?」 突然の幼馴染みの言葉にマヌケな返事になってしまう。 「だーかーらー、付き合ってくれたら煙草も援交もやめるってこと」 るいはニヤニヤしながら志紀の反応を見て楽しんでいる。 顔色一つ変えず、平然と答えるるいに疑問が浮かぶ。 「………遊びか?」 志紀は静かに口を開き、問う。 「んーけっこー本気」 るいは少し真剣な顔をして志紀に伝える。 「………なんで煙草もやめんだよ」 「……それぐらい、あんたに本気ってこと。なんかその言い方だと、やめるなって聞こえるね」 「ちげーよ!!煙草…もうやっていないって思ってたから…」 志紀は俯き、少し気まずそうにする。 「あんたの見てないところで吸ってる」 そんな志紀にるいは返す。 「………」 何も返すことができず、黙り込んでしまう。 ………知らなかった。 前まで煙草とか、普通に俺の前で吸ってて……。 その度に俺が止めて…。 いつしか、吸わなくなって…。 安心していた。 ………――だけど、俺の前で吸わなくなっただけで本当はまだ吸っていたのか…。 志紀は俯いたまま悲しそうな表情を見せる。 「………別に、志紀が責任感じることないじゃん…」 るいは少し困った様子で笑う。 「……………」 志紀はそれに対しても何も言うことができず、黙り込む。 「……………ごめん。あたしもう行くわ。さっきの冗談だし、忘れて」 るいはニッコリと微笑むとロッカーの上からおり、教室の扉へと向かう。 「…………待てよ」 るいが教室から出ようとした時だった。 志紀が静かに呼ぶ。 そんな志紀にるいは驚いて振り返る。 「……………本当だな…。絶対にやんねーんだな?」 「………え?」 るいは驚いた表情で首を傾げる。 「……わかった。俺…お前と付き合う」
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