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「…何自慢げに言ってんだよ…。たく、やめろよ…そんなの…」
「…………」
志紀の声がだんだん小さくなり、心配しているという気持ちがひしひしと伝わってくる。
だけど…期待させないでほしいな……。
志紀も自分を好きなんじゃないか、という期待をしてしまう。
しかし、その期待が現実になることは……きっとない。
あたしは一瞬、寂しそうな顔をするがすぐ意地の悪い顔を見せた。
「…………へぇー…志紀ったら心配してくれてるの?」
そう言うと志紀の近くに寄る。
「はっ?当たり前だろ?幼馴染なんだしー…って何近付いてんだよ」
「別にー…」
すぐ顔が赤くなる志紀をからかいたくなるのはいつからだっただろうか。
てゆーか、志紀ったら…警戒心出しすぎ…。
何もしないつもりだったけどやーめた。
少しいじめちゃおっと。
るいは顔を近付け、志紀が逃げないように机に手を置いて囲む。
「…なっ、だ…だからなんだよ!」
「んーなんもないけど?ってか、志紀顔真っ赤…」
「お…お前が顔近付けるからだろ!!」
志紀は顔をそむけ、るいと目をあわせないようにしている。
「…………何顔そむけてんのよ……」
「…っるい!ちょっ…どこ触って…!」
るいはシャツをまくり上げ、素肌に触る。
「ん…脇腹?」
耳元で低く囁き、クスクスと笑う。
「…―ちょっ、やめっ…―っ!」
志紀はより顔を赤くさせ、耐えるようにして目を強く瞑る。
「るい…お…い!今日は度が過ぎるぞ…!!」
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