True‐start‐

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「今日『は』って…なんかいつもこんなことやってるみたいに聞こえるじゃん」 「…いや…実際そうだろ」 るいの発言に志紀はすばやく突っ込みをいれ、あきれ顔になりながらため息をついた。 なぜこういう時だけ、すばやく突っ込みを入れるのだろうか。 確かにこれが初めてではない。 こんなことがやれるのも長年幼馴染みをやってきたからだろう。 まぁ、遊びみたいなものだし………。 まだ顔が赤い志紀に対し、るいはにっこりと笑顔を見せる。 「……まぁ、キスはしてないんだからいいじゃん♪」 「ばっ…あたりまえだっ!てゆーか、さりげに続きしようとすんなっ…!…離れろ!ドS!」 「あはは♪よく言われる―…」 ………っていっても、志紀にしか言われたことないけど。 「ったく…幼なじみじゃなかったら、絶対許さなかったぞ、こんなこと」 「………」 志紀のその言葉に一瞬胸が痛んだ。 やっぱり、志紀はあたしのことそうとしか見ていないのか、と。 幼なじみだからこそ、許せる。 それはいいこと? でもそれって、それ以上のことを意識してないから言えることだよね? ズキズキと鳴る胸。 けどあたしは決してそれを表にださない。 あたしは志紀から離れ、向かいあって座った。 そしてなんの変わりもなく、口を開いた。 「仕方ないから今日はここまでにしといてあげる」 怪しい笑みを浮かべ、志紀に言う。 「『仕方ない』ってなんだよ…。あー…やっと解放された」 「えっ?なに?もっとして欲しいだって?しょうがないなぁ…」 「言ってねーよ!ばーか!!」 ………早すぎる即答はムカつく。 顔を真っ赤にして言う志紀をみるとよけいにからかいたくなってしまう。 冗談だっつーのに。 しかも馬鹿に『ばーか』って言われてしまった。 明日また会える時に仕返ししようと決心したのだった。 るいは下から志紀を得意げに睨む。 そんなるいに志紀はひきつり笑いを返すしかなかったのだった。
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