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この話は本当にあった出来事のなかでも、最も恐ろしいものだったのではないでしょうか。
この一家に起きた悲惨な出来事は………
5年前の田崎家。
『裕美、ほら、見てみろよ。野良猫のヤツ、うちの縁の下で子供なんか産みやがって。』
『どれーっ。あっ、本当だ。』
『どうりで夜中寝てるのにうるさいと思ったぜ。チェッ。』
親猫はシャーと威嚇した。
『うるせえんだよ。』
兄の正彦は親猫を蹴飛ばし、妹の裕美は子猫を一匹つまみだした。
『お兄ちゃん、こいつらまだ目も開いてないね。こいつ、ネズミみたいよ。』
正彦と裕美は、その子猫でキャッチボールし、遊びだした。
母猫は唸りながらずっとそれをみていた。
『正彦ーっ。裕美ー。夕飯だよ。家に入りなさーい。』
母親の声で2人は、はーい、と返事をすると、遊んでいた子猫を放り出した。
親猫はすぐさま子猫に駆け寄ったが、子猫の息はなく、母猫は子猫を亡くした悲しみで、ひとしきり鳴いていた。
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