生命あるものからの宣告

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『なんだって!猫が納屋に!!やだねー、気持ちが悪い。あたしゃ猫が大嫌いなんだ。』 母親が言うと父親が、 『子猫なんだろ。殺虫剤でもまいて殺しちまいな。』『そうだね。』 正彦は言った。   袋の中に子猫たちを入れて、親猫は紐で腹をくくりつけ、天井から吊した。   『この殺虫剤なら確実に死ぬだろう。』 『中で暴れるといけないから、しっかりつかまえておいてね。』   吊られた親猫はニャーニャーと鳴いている。 正彦は 『ニャーニャーと、うるせえんだよ。』 と親猫を蹴飛ばした。     『いくぜ!』 ブシュー、ブシュー 『皆殺しだあ。』 ブシュー、ブシュー 子猫たちは、ギャーギャー鳴き、ヨダレをたらし、涙を流し、泡をふいて暴れた。   『すっげえ。』 『きゃははは。』 2人は子猫の死んでいく様子を楽しんで見ていた。   『フー、死んだ、死んだ。』 『想像してた以上に暴れたよね。』   ふと親猫を見ると、ちぎったのか、いなくなっていた。 『あれ、野良猫のヤツ、どっかいっちまいやがったな。クソッ!なぶり殺しにしてやろうと思ったのに。』『ねえ、お兄ちゃん、埋めてやるくらいはしてあげよーよ。』   正彦と裕美は、死んだ子猫たちを穴を掘って埋めた。
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