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この日を境に、家族に悲劇が次々と訪れていったのです。
リーンリーン
『はい、田崎ですが………え?正彦がっ!?』
『正彦がどうかしたのか。』
『学校の帰りにスクーターで…交通事故………命に別状ないって……大丈夫よ。』
病院に家族で行きました。『急に猫がバイクの前に飛び出してきてさ、スピード出してたからそれでハンドルとられちまって、電信柱にぶつかっちまったんだよ。…まいったなあ。』
『だから、あれほど言ったじゃないの。スクーターで通うのは危ないって。』
『でもまあいいじゃないか。三週間くらいの入院ですんだんだからな。』
『元気そうだから心配ないわね。』
『くっそーっ!猫のヤツめ。バイク、また買ってくれよー。』
『アハハ、何言ってんの。』
その夜。
リーンリーン
『はい。なんですって?正彦の容態が!?』
それは突然の急変でした。内臓圧迫による呼吸困難。病院にいながら信じられない死因でした。
看護師さんは一言言いました。
『正彦くん、猫、猫、としきりに口走っていましたよ。』
おばあちゃん、正彦とたて続けに不幸が襲ってきたのに続いて、裕美はいじめに合うようになりました。
『おまえは呪われた家の子だあ。』
『近寄ると呪いがうつるぞ』
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