死神の正体

2/5
前へ
/721ページ
次へ
これは私(真佐美)が高校2年のときに起きた、思い出すのも恐ろしい出来事です。   『ノリちゃん、ノリちゃん!はあ、はあ、はあ。』 『どうしたの?真佐美。』『今日、ノリちゃんちに寄っていっていい?ノリちゃんのおばあちゃんに話があるの。』 『真佐美、ひょっとして………また霊体験したの?』    ノリちゃんのおばあちゃんは霊感が強く、占いなどもやる人で、霊感体質だった私は何かと相談にのってもらっていました。   『おばあちゃん言ってたよね。夜中の2時14分と22分は、この世とあの世が一番近くなる時間だから、霊が現れやすいって。』 『つまり、その時間に出たの?』 『出た!!とんでもないのが!』     昨夜ね、あたし遅くまで試験勉強していたんだけど……眠気を感じたのがちょうど2時14分。 これまでこの時間に眠るのは避けてたんだけれど、突然の強烈な眠気に私は耐えられなかった………。   そして、気がつくと私の1メートルくらい前に、そいつは立っていたの。 『あ………こ……これは……死神!?』 そう思ったとたんに金縛りにあったの。   そして……… 『あ……ああ……私、生気を抜かれている。連れていかれるっ!』   必死にとにかく抵抗して、ずいぶん長い時間が流れたように思ったけど、気がついたら死神は消えていて、金縛りも解けていたわ。   放心状態でふと時計を見てみたら2時22分だったの。でもそれより気になるのは、死神が消えてゆく時に言った言葉…… 『ひとまず帰る。だが…また来るぞ。』
/721ページ

最初のコメントを投稿しよう!

598人が本棚に入れています
本棚に追加