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気のせいだったかもしれません。でも、確かに聴いたように思いました。
『それは大変だったね。』
こんなウソみたいな話も、彼女(ノリちゃんのおばあちゃん)はまじめに聞いてくれました。
ニコニコと優しい中にも毅然としている彼女に聞いてもらうだけで、私はとても安心できるのです。
『その死神の正体は、あたしにもよくわからないけど、それは死をもたらすほど危険なものとして、あなたの心が描き出した象徴的なものなんじゃない?万が一、また…大変な目にあった時は、このお経を唱えるのよ。覚えきれない時はこの、最後の部分だけでいいから、心を込めて唱えなさい。それからその時は……できたら、夜中でもいいからすぐ、あたしに連絡して。』
『ありがとうございました。』
『もう遅いから気を付けて帰るのよ。………真佐美ちゃん!!ううん、今フッと感じたことなんだけどね、あなた、蛇か…虫に気を付けなさい。』
そしてあの出来事はそんなことも忘れかけていた時に起こりました。
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