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あれは今から13年前……タエさんが19歳、大学生だったときの体験です。当時、彼女はヤクザの愛人をしていました。
『なあ、タエ。女房が家を出ていっちまって、困ってんだ。1ヶ月くらい息子の世話してくれねえか?』
『え?私が?』
『場所は用意するし、バイト料として20万払うから頼むよ。』
タエさんは何の抵抗もなくOKしました。
場所は青山のマンション。内心ラッキー!と、嬉しくなりました。
『これが息子だ。よろしくな。』
『こんにちは。』
4歳のカー君は、とてもしっかりした子供でした。
『いいかタエ、今日から1ヶ月、この部屋から出るな。』
『え?どうゆうこと?』
『うちの若いもんが、毎日メシと着替えを持ってくる。そのとき以外は絶対ドアを開けるな。頼んだぞ!』『え?ちょっ……』
バタンと扉は閉められました。
『しょうがないね。テレビでも見よっか。』
『うん。』
カー君は母親がいなくても、泣くことはなくタエさんはとても、いじらしく思えたそうです。
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