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私は中沢真澄といいます。年末に、母との会話中に、親友であった由宇子の話がたまたま出ました。
『そーゆーわけだから、今年も田舎に帰んないから……。』
『なーにが、帰んないから、よ、まったく。お盆にも帰ってこないで。ほんと薄情なんだから、あんたは!』
『すんまへん😏💧』
『あ、そういえばね、夏にゆうちゃんが訪ねてきたのよ。』
『ゆう?』
『何よ。覚えてないの?あんなに仲良くしてたのに。』
『…あーっ!思い出した!なっつかしー。久々に聞いたよ、その名前。』
牧野由宇子……
彼女と私はとても仲が良く、家族ぐるみの付き合いをしていました が、
由宇子の家が小6の時に越してからはそれっきりになっていました。
『会いたがっていたわよ、真澄に。』
『ふーん。』
『ゆうちゃんも、親元から離れて東京にいるらしいから、連絡してみなさいよ。電話番号は…………』
『はいはい。』
結局、メモをした電話番号は試験のドタバタで行方不明になり、見つかったのは大掃除をしていた大晦日でした。
『どーせ、電話しても実家帰ってるだろーなー。………ま、かけてみるか…。』
トゥルルルル…
『…もしもし。』
『(いた!)あ、もしもし。中沢ですけど。』
『…………真澄ちゃん?嬉しい!かけてきてくれたんだ!』
『いたんだ!あたし実家のほうに年賀状出しちゃったよ。』
『うん……ちょっと帰れなくってさ。』
『ふーん。でも、久しぶりだね~。』
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