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「・・・リアン、君がこのラーム魔法学校に入学できたのはどうやらラグナ史至上最大の奇跡らしいね」
向かって左に座っていた少年-アラン=スラプトが爆発四散した時計の残骸を眺めながらため息混じりにいう。ラーム魔法学校の試験をトップ合格したいわゆる「天才」。様々な属性魔法を基礎・応用を問わず使いこなせて頭脳も明晰でルックスもいいといういわば完璧男児(本人に自覚はないが)である。教師や上級生、おまけに多数の女子生徒からも一目置かれる存在だ。
かけている銀フレームの眼鏡が知的な雰囲気を醸し出すが、今は形の良い眉をひそめて沈痛な表情だ。
「まさかこんな基礎もできないとは・・・」
「うるっさいわね!」
広い教室にくまなく響きわたる声でリアンが叫ぶ。目鼻立ちは整っているのだが、その目に宿る勝ち気な光と浅く焼けた肌、短く刈られたボサボサの金髪とおそろしく活動的な性格が美少女というより「活発な美少年」というイメージを与える。
ちゃんと自分が女子であることを自覚しているリアンとしてはこれがいたく心外なようだが、レイを含め周りは「彼女の自業自得」ということで収まってしまっている。
やや小柄でレイよりは頭一つ半ほど小さい。
「あたしの時計が~!」
右隣に座っていた少女-ミラ=シェイルが時計の残骸にすがって泣く。
レイほどではないがガリ勉で知られる。名家出身だが、物腰は丁寧で気取ったところがない。
おまけにルックスもいいので人気は上々である。
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