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あの日から俺は悠樹達と廊下でふざけあったりしながら先輩の方をチラチラと見てしまったり、
今まではギリギリに部活に行っていたのに、最近では一番に部活に出て、先輩を待つ様になった。
「お前…最近早いよな。」
いつも一番だった端山先輩がバッシュの紐を結びながら、すでにシュートを打っている俺にそう言った。
「え!あぁ、えーっと…。」
女バスの先輩目当てです!
だなんて、そんなことも言えるはずがなく、答えに詰まっていると
「2年になって後輩も入ったから張り切ってんじゃねぇか?」
声がした方を見ると、ボールを片手に爽やかな笑顔を向けた崎本[サキモト]先輩が立っていた。
「俺達も、うかうかしてると翔平にスタメン取られちゃうかもな。」
なんてニコニコ笑ってるけど、実はこの人が男バスのキャプテンで一番の実力者。
恰好が良くて、バスケが上手い先輩は俺にとって憧れの存在である。
「早いといえば、原はいつも1番だよなぁ。」
端山先輩が不意にあの人の名前を出すから、思わず持っていたボールを落としそうになってしまった。
「アイツ2年の夏くらいまではそんなんじゃなかったよな。」
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