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「佑菜ー!!男バスOKだってー!!」
平林先輩のその声に先輩がこっちを向いて、駆け寄ってくる。
一瞬ドキッとしたが、先輩の視線が隣りの崎本先輩にある事に気付いてなんとなくがっかりした気分になった。
「ありがとう。今日みんな委員会に出ちゃってて、人数少なかったからすごく助かる。」
「いや、こっちも今日3人しかいなかったから困ってたとこだったんだ。」
目の前に立った先輩は意外に大きくて、俺と同じくらいの目線で少し驚いた。
「今日の練習、女バスの練習メニューでもいいかな?」
「あー…うん、まぁいいよ。」
「あはっ!!なにその顔。」
あからさまに嫌そうな顔をする崎本先輩。
それを見て笑う先輩。
そんな小さなやりとりがなんだかすごく羨ましく感じた。
「おーい!!始めようぜ!」
声がした方を見ると、少し離れたエンドラインで端山先輩が大きく手を振っていた。
その近くには平林先輩と数人の女子部員の子もすでにエンドラインに並んでいた。
「おう。」
キュキュッと、バッシュを小さく鳴らしながらエンドラインに向かう崎本先輩と先輩。
その二人の背中をボーッと眺めながら、俺も後に付いていった。
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