4月

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「は…端山[ハタヤマ]先輩!!」 「そんなに真剣に携帯見てなに見てたんだよ?」 もしかして…?なんて真っ昼間から変な事を口走るこの人は端山恵爾[ハタヤマ ケイジ]先輩。いつも1番に部室に来ている人だ。 「違いますよ。それより今日は遅かったですね?」 「あぁ、仕事がなかなか終わらなくてさ…。」 だから逃げて来ちゃった。と苦々しく笑いながら先輩は部室のドアの鍵を開けてくれた。 「仕事って、「やっぱりここか!」」 俺の言葉が言い終わらないうちに、またもや大きな声が飛んできた。 やべっ…そう顔をゆがめながら端山先輩は俺の後ろに視線を向けている。振り返ると少し小柄な女の先輩が少々ご立腹の様子で立っていた。 「また途中で逃げたして!今日こそは最後までしてもらうからね!」 「えー。平林やっとい「あんた去年もあたし1人にやらせたでしょうが!!」」 「…だって俺、部活が「あたしもあるんですけど?」」 目の前でハイスピードで起きている事についていけず、ポカーンっと見ていると上からクスクスと笑い声がした。 あ、佑菜だぁ!っと平林(?)先輩は上に向かって手を振った。 俺も一緒に上を見上げるともうすでに部活着に着替えたあの人が柵に寄り掛かってこちらを見下ろて手を振っていた。 .
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