第一章「失」

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「ねえ! 知ってる?」 「なになにー?」 「あのね! Violet、解散したらしいよ!」 「えっ! うそー、まじでっ!? あたしファンだったのにーっ」 「何で解散すんのっ!?」 ――歌えないからだよ…‥  朝の登校時間。空を眺めながら歩いていた。いつもより少しばかり遅いが、遅刻する事はまず無い。  季節は秋から冬になろうとしているのだろう。少し肌寒かった。時間は、止まらずに動いている。しかし、俺の時間は止まったまま。 ――あの時から一秒たりとも進んじゃいない。 *
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加