小野 小町(オノノコマチ)

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才媛(六歌仙・三十六歌仙)としても高名な小町。 情熱的で女性らしい歌風から、紀貫之より「古の衣通姫(そとおりひめ:美しさが衣から溢れ出る程の美姫)のようだ」と綴られた事から、美人の代名詞にもなっています。 小町の使った化粧井戸や鏡等、各地に伝説が残っていますが、出生地は定かではありません。 私の住む福島県にも小野と付く土地はありますが、小町の出生地は美人が多い地として挙げられる「秋田県」または小野姓の栄えた「京都市山科区小野」のどちらかではないか…と言われています。 情熱的な歌が多いせいか、恋多き女性との伝説から世阿弥が 「百夜通い(深草少将:在原業平がモデルと言われる)」を創作、小町の「花の色は移りにけりな いたづらに我が身 世にふる ながめせし間に」の歌碑と共に、少将の縁の文塚が京都の随心院にあります。 才媛・美女と、これまで記述してきた小町の印象は、少し取り付きづらい感じがするでしょうが、好きな人に夢で会えるようにと、おまじないをする小町の可愛らしい一面に触れる事の出来る歌がこちら↓ 「いとせめて 恋しき時はむばたまの 夜の衣をかへしてぞ着る」
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