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イヤードが組んだのは、数少ない少年兵の生き残りで、一歳年上のナジだった。
ナジは他の者に比べると銃の扱いが下手で、足も遅かった。しかしその代わりに、妙に物知りだったため、イヤードも含めて無学な仲間の間では、特別な目で見られていた。
アジトを出た翌日に、イヤードはナジに尋ねてみた事がある。自分たちは一体何と戦っていたのかと。
実際のところ、少年兵たちは敵の正体を知らなかった。どこかの軍隊だとは分かっていたが、それだけだ。実戦では敵の歩兵よりも、分厚い装甲を備えた巨人(のようなもの)によく会っていたから、相手の顔が全く見えなかったからかもしれない。
ナジは簡単な事だと言わんばかりに、コクレンだと自信満々に言い切った。
コクレン――その言葉の意味がイヤードには全く分からない。
その意味と共に、なぜ彼らがやってきたのかを訊いたが、ナジは言葉を濁した。
要するに、ナジにも分からなかったのだろう。その事を指摘すると、悪い目付きをさらに歪めて、憤慨してしまった。
今思うに、図星だったのだろう。
いや、そもそも敵はコクレンですらなかったのかもしれない。
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