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おびただしいバラバラ死体。
そこに、零治と呪いと呼ばれた少年だけが死体の真ん中で立って睨み合っていた。
「呪い…貴様で最後だ…!!」
「すごいね…死神。こんなに数が殺しても疲れもしないなんて」
なんとも余裕な笑み。
「腹が立つんだよ…呪い…お前らの笑いは…ホントに人を人と思ってないみたいだな…」
赤い目が鋭く、殺気に満ちて少年の喉元に刀を向ける。そんなことをされても呪いは笑っていた。
「君はわかっていない。分子を消しても意味がないことを…」
「知ってるよ…それぐらい…」
「そうだったの?これはこれはごめんなさい。」
「いい加減、吐け。お前らの親玉は誰だ?」
「ヒント…ぐらいはあげよう。あの方はこのゲームを楽しんでいるからね。早く、死神とゲームしたいと疼いていたからね…」
「ふざけんな…何がゲームだ…ただ人の生気を吸って楽しんでるただのアホじゃねぇか…」
イライラが爆発しそうになるがそこは我慢。
「で…ヒントってなんだ?」
「君のすぐ側にいるよ…多分…いや、絶対に顔は知ってるし、君とも話しているよ…何回もね」
「なっ?なに…?」
一瞬、刀を握る手が緩んだ隙に呪いは人間じゃないスピードでその場を去った。
「ま、まちやが」
「零治………何………してるの………??」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえ、振り向くと。
そこには、香奈が怯えた目でこっちを見ていた。
「あんた…何してんのよ…人を殺したりなんかして………」
ヤバい所を見られた。
しかもよりによって香奈にだ。
「しかも、あんたの目…赤い…」
しまったと隠すも時すでに遅し。
もう、見られてしまった以上、殺すしかない…と思ったら香奈に刀を向けていた。
「…こっちに来るな…」
「えっ……!?」
いつもと違う口調に驚きを隠せない。
「こ、こんな事して警察が来た……ら?」
バラバラになった死体が段々、消えかかっていく。
「な、なに…こ…これ…?」
「香奈…早く帰れ…ここはお前のいる場所じゃない…後…日向達が心配するだろうから…早く行け…」
「で、でも…」
「行けったら行け!!!」
零治の怒鳴り声に恐る恐るその場を去るしかなかった。
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