第二章

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「た、ただ…いま……」 あの後、日向と紫織には気持ち悪いと言って自宅まで走って帰ってきた。 「どうしたの?香奈ちゃん?顔真っ青よ?風邪引いちゃった?」 「お母さん…」 「何?」 「今すぐ零治の家の家政婦止めて」 「何でいきなり」 「あいつ…人殺しなんだよ!!」 そう告げられた愛莉の表情は一変して冷たい顔に変わり、香奈の肩を掴む。 「見たの?零治様が人を殺すところを…」 「な、何…お母さん…怖いよ…しかも…零治様って何…」 「いいから見たのって聞いてるの…」 「み、見た…」 溜め息を一回ついて、いつもの表情に。 「もう、見られちゃうなんて…。ちょっとショックだなぁ。零治君」 「えっ?零治?」 こたつに寝そべっている零治がいる。 いつ…追い抜かれた? 走るのに夢中になりすぎた? いや違う…なら…ここにいる零治は誰? 「お、お母さん…あれ…」 「さっき、香奈ちゃんが言ってた人殺しの零治君」 きっぱり言われた。 「危ないよお母さん!!殺され」 「んなことしねぇよばぁか。」 「そんなの信じられるわけないでしょ!!早く出てって!!」 「香奈ちゃん。あなたにも話しておかないとね。零治君のこと」 「あいつはただの人殺し!!ただそれだけ!!」 「違うのよ。」 「なら何なの?」 「零治君は死神なの」 「はっ?」
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