第三章

5/8
前へ
/52ページ
次へ
「零治ぃぃ―――!!何してんじゃぁぁ!!」 罵声にも近い声が零治の耳に響き渡り、背中に冷や汗がじわっとにじみ出てきた。 まるでロボットのようにゆ~~~っくりと見ると香奈が両手を腰にやりこちらを睨んでいた。 「あんたね、早く帰ってくるってお母さんに聞いて、待ってたらなかなか戻ってこないと思ったらこんな所で油売って!お雑煮、全部食べちゃうわよ。それにこんな所で銃なんか撃つ人誰よ!!あたしの目の前に落ちてきたんですけど!!!」 ぎくり… 「い、いやぁ香奈ちゃん…そそそれは危なかったねぇ~~」 その犯人は真治 「なっ…!!」 「ま~~や~~~ま~~く~~~ん!!!」 「いやぁぁ~~!!」 「ひ、平山!!」 「あれ?佐竹くんいたんだ……って何その格好」 「か、かっこい」 「ダサ」 「えっ……??」 拓哉だけに寒ぅぅい風が一つ吹いてうなだれそして彼は泣いた。聖騎士だろうが何だろうが関係なく彼は男として泣いた 「あの…貴女が平山香奈さん?」 「えっ?あぁ…はい、そうですけど?誰、零治?この綺麗な人」 「今年の神子だよ。聖霊院の偉い人だな」 「へぇ~~~…その偉い人がなんで佐竹くんと一緒に?」 「あいつ、聖霊院の聖騎士だよ。」 「そうだったんだ。だから2人ともダサい服着てるんだ」 「「ダサい…」」 グサリと拓哉の心に見えない言葉矢が刺さり余計に落ち込んだ。 そしてフレンにも見えない言葉の矢が刺さり2人の気分はまさにブルー 「拓哉さん。今日は帰りましょう」 「そうですね…神子様。今日は気分が優れません…」 トボトボと2人は去っていった。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加