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「来たな…」
日頼神社の裏の広場。
かん高いバイク音と共に不良少年達が蛇行運転しながら現れた。
数は20人、いや…今日は大晦日、もっといるか。
零治の目に映っていたのはどす黒い妖気のようなものが少年達の背中から発していた。
「汚れてるな。死が増えたか」
いわゆるあれが零治の言う"死"。
「よっしゃあ!もうちょいで正月だぁ!!今日はハデに行こうやぁ~」
うおぉ!!っと少年達が雄叫びをあげる。
「死は狩る…それが死神の役目…」
木から足軽に少年達の輪の中心に飛び降りた。
何事かと思った矢先。
「悲鳴を聴かせろ斬首刀!!!」
キィンと耳なりのするような音と同じスピードで1人の首が跳ねた。
「な、なんだてめぇわぁ!!!」
パシ
リーダーであろう少年が零治に殴ろうとするが、軽く受け止められる。
「終わりか?」
「えっ…ぐあ!!手がぁ手がぁ」
不気味で不可解な音が握り締めている手から聞こえる。
不良達は一瞬にして"ヤバい"と悟った。
「死ね…」
また、耳なりのする音、まるで何かの悲鳴にも近い音が鳴り響くとリーダーは顔、両腕、両足が綺麗に吹き飛び、そこら中に血が飛散する無残な光景が。
「違う…こいつじゃないな…誰が"呪い"だ?」
ぐるりと見回し、誰がその呪いかを見極めていた。すると、木の陰でニコリと笑う1人の不良がこっちを怖がらずに見て立っている。
「やつか…!!」
「な、なんだよこいつ…!!に、逃げろ!!」
「ちっ…!逃がすか」
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