1.気高き燕との出会い

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「何言ってんだ! これは部活勧誘のためじゃなくお嬢様を探して奇跡の写真を激写するためだぞ」 うん、頭おかしいとかは気にしないんだね。ポジティブでいいと思うよ僕は。 「じゃあ、なんでお嬢様探すために最初に部活勧誘してるの?」 「部活勧誘などしていない! あれはただの脅し文句だ!」 やっぱり脅迫ってわかってたんだ。でも脅したら逆に入らないと思うけどな。 そんな僕たちのショートコント的な会話を聞いている新入生たちは呆気にとられた顔をしている。 「おい、そこのハゲ。まず新入生にお嬢様がいたのを知ってるか?」 近くにいたハゲと呼ばわりされた少年は見事な五輪刈りだった。 ハゲ呼ばわりされた少年は……何だか言いずらい。面倒だから僕もハゲって呼ぼうかな。 ハゲは戸惑いつつもコチラの質問に答える。 「はい、知ってます」 「じゃあ、ハゲはそのお嬢様が何組にいるか知ってるか?」
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