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オーシア連邦
ノースオーシア州
ノースオーシアグランダーI・G社
???side
「・・・・、そうだ。奴らは必ず来る。諸君等にはここの防衛を頼みたい。」
地下のある一室で、一人の男が、机にある、2つのモニターを相手にそう言う。
<随分改まって、何かと思えば。>
右側のモニターに映る男が、ふふんと鼻で笑う。男の後ろには、オーシア連邦の国旗が飾られている
<かつて軍事で名を轟かせた国がな。>
左側のモニターの男がそう言う。男の後ろには、ユークトバニア連邦共和国の国旗が飾られている。
その2人の態度に、男は不快感を覚えつつも、話を続けた。
「勿論、ただでとは言わない。それなりの報酬を用意しよう。」
男はそう言い、机にあるボタンを押す。すると、男の後ろの壁が上に上がり、地下工場らしき場所が、ガラス越しに現れる。
工場では、大型のパーツのような物が開発されていた。
男は椅子から立ち上がり、2人に工場が見えるようにする。
「報酬は、こちらの核弾頭。V1を、防衛により貢献した側に渡そう。」
2人は、その言葉と、V1と呼ばれた兵器を見て、目の色を変える。
「これについては、諸君等も重々承知だろう。」
V1。
かつて、ベルカ戦争において、ベルカ軍が、連合軍の侵攻を阻止しようと、各1発が、1つの街を消し飛ばした忌むべき兵器。
しかし、戦争をするものにとって、これほど理想的な兵器はない。
<良かろう。>
<わかった。今すぐ部隊をそちらに送る。>
<なっ!あそこは我々の領土だ!>
<はっ!戦争なんだ、関係ない!>
左側モニターの男は、そう吐き捨てると、モニターが消える。
<くっ!>
それに続くように、右側モニターも消える。
モニターが消えた後、男は椅子にもたれ掛かる。
「くくく。単純な奴らだ。V1など、ただの玩具に過ぎんというのに。」
部屋中に、男の不適な笑いが木霊する。
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