追い掛けて、追い掛けて。

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「………何よ;」 佳奈子の笑顔が怖い 「いやぁ?ただ、いつもはもっと早く登校するはずの綾瀬君が どうして今日は遅刻すれすれだったのかなぁってね」 と言ってニヤリと笑う佳奈子 …でも確かに伯斗は予鈴の20分前にはすでに学校に着いているはず なのに今日は遅刻常習犯の私とほぼ同じ時間 ………おかしい 「…寝坊でもしたんじゃない?」 「有菜じゃあるまいし。」 即答。なんか悲しい 私が考えこんでいると佳奈子は楽しそうに話してきた 「昨日、先生が教室で有菜の指導についての話してた時ね 暫く綾瀬君…考えごとしてるみたいな感じだったんよ」 ニヤニヤする佳奈子 …怪しいんですけど; 「……えーと… 伯斗の考え事がどうしたの?」 ハテナを浮かべながら聞くと 佳奈子は顔を少し近付けて、やや声の大きさを抑えて言った 「……わざとなんじゃない?」
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