6975人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
そんな私の願いは当たり前のように空振りし、視線を泳がせ続けた優衣ちゃんは、お姉ちゃんと共通して話せる話題などやっぱり浮かばない上、頭はこの事でいっぱいで、とうとう、一番口にして欲しくないことを口にした。
「私、失恋したんです」
この言葉を聞いた瞬間、私はお姉ちゃんの顔をさっと見た……。お姉ちゃんの右の眉毛が、『風と共に去りぬ』のヴィヴィアン・リー並みにぴくりと動く。
ああ、悪魔さえも、私の日頃の善い行いには報いてくれないみたい。
あの眉毛が動く時は、いつも、確実に……。
ろくなことがないの!!
最初のコメントを投稿しよう!