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お姉ちゃんは、お腹の中は全く笑っていない、微笑みを浮かべる。
「失恋? 優衣ちゃん、まさかあなた、みゃーこに相談してるの? みゃーこに相談したって、何にもならないわよ。あの子、『鉄の処女』だもの」
あ、お姉ちゃん、優衣ちゃんはその事は百も承知だから、中世ヨーロッパにあった、拷問具の名前を妹に使うの……。やめようよ。
「聞いてくれます?」
優衣ちゃんは、更にお姉ちゃんがくらいつくいいエサを与えようとする。
私はタマゴを溶きながら、慌てて居間に向かった。
「ゆ、優衣ちゃん、お姉ちゃんも、初対面で話す内容じゃないよ? もっと別の話をした方がいいんじゃないかなあ?」
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