地雷を踏み続ける女

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 優衣ちゃんがしくしく泣き始めた。私はガスを止めてお玉をそのへんに投げて急いで居間にもどる。 「お姉ちゃん! 優衣ちゃんに何、言ったの?」  お姉ちゃんは、何本目かのビールをグビリと喉を鳴らして飲んでから、鼻で笑う。 「あら、本当の事を言っただけよ。貴哉くんとやら、将来かなり『いい男』になりそうな男なのに、もったいなかったわねえって言っただけよ」  優衣ちゃんの泣き声がシクシクから、エンエンになり始める。  それだけでも、酷いけど、お、お姉ちゃん、きっとそれだけじゃあないよね?  優衣ちゃんは涙を溜めた目で私を見上げる。  「美弥子、お姉さん、私が悪いって言うのよ。他の女に走ったのは貴哉なのに」
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