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お姉ちゃんはまた大きく鼻で、ふふん。と笑う。
「あら、だって、優衣ちゃんは、貴哉くんをブンブン振り回したかっただけでしょう? 自分が、それだけの価値のある女の子だって、認めさせたかっただけよねえ。彼氏だからってそれはあんまりよ。」
うわ。もう最悪だよ。既にお姉ちゃんは持論を惜しみなく優衣ちゃんに展開させているにちがいない。
優衣ちゃんの泣き声が一際たかくなる。
「お、お姉ちゃん、そんな事、ないんじゃないかなあ? 優衣ちゃんは本当に貴哉くんの事、好きだったんだよ?」
「あら? じゃあ何でこんなに、悔しさばかり滲ませてるのかしら? 貴哉くんばかり責めて。自分には否はなかったとは思えないのかしら?」
優衣ちゃんは、泣きながらお姉ちゃんに言った。
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