プロローグ!

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俺はこの間、中学の卒業式を終えて今は春休みのちょっと前だ。いや、春休み。 今バイトの面接を受ける為に、近くの駅前の交差点で信号待ちをしている。 今行こうとしているのは今度新しく出来るケーキ屋のバイト。甘いの大好きの甘党である俺。甘党にはそれは夢のような仕事場。 なぜバイトをするのか。 ……別に将来に向けての貯金とかバイトして欲しいものを買う……そんな理由ではない。 答えは単純、親がいないからだ。 両親は……両親は中小企業の社長と副社長だったが一昨年飛行機事故で亡くなった……一応天国にいると信じたい。 家族は俺の他に三つ年上に去年モデルデビューした姉さんがいるんだが、その姉さんと二人暮らし。 ただ両親が亡くなった時は保険金が莫大な額で遺産については親族で相当揉めた。伯父や伯母、親戚中が遺産の話ばかり。 ……正直人間ってのは所詮は金、金、金。金に欲深く、醜いそんな生き物なんだな……とその時中学生ながら思った。 親族があまりにも金にうるさいので、姉さんが前の家を売り払い伯父名義で二人で暮らすマンションの一室を買って、残りは親族に全て渡した。 最初は姉さんや俺の二人でこつこつと生活しながら暮らしていていたんだが、ある日街を歩いていた姉さんはモデルとしてデビューしないかとスカウトを受けた。 貯金もバイト暮らしではなかなか出来ず芸能界としてデビューすれば、今よりは暮らしが楽になる。 そう思った姉さんはやるならとことん覚悟やる!ということで、高校を中退してモデルとしてデビューしたのだ。
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