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周りの騒ぎにも全く気付かずに赤子は眠り続ける。
「どうか無事に……」
女の言葉が終わる前に光に包まれた赤子が消える。
「……を……って」
女の言葉が終わると同時に光も消え、部屋には術者と女だけが残った。
「正妃様……。では私も参りますので」
意を決した男の言葉に彼女が頷く。
「巫女たる私はここを離れる訳には参りません。そなたは国一番の術者、あの子を頼みます。決して奴等には気付かれない様に。そなたも充分にお気を付けなさい」
女――正妃は自分の髪に挿されていた簪を一つ抜くと、男に渡した。
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