序章

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「これを彼の地の主に。あちらでは使えないかもしれないけど」 桜の花を呈した簪を急いで懐にしまい、彼は己の行くべき処に意識を向ける。 暫く後、光が消えた隠し小部屋で一人になった正妃の前には、この騒ぎの首謀者が立ちはだかっていた。 手には赤子の父親であり、この国の王、神宮寺家の当主、そして正妃の最も愛する人物の頭部がにぎられている。
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