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「お嬢様~?どこにいらっしゃるんですか~?時間ですよ~」
朝を迎えた神城の屋敷に使用人の声が響いた。
時計を見ながら、しきりにある人物の名前を呼んでいる。
「どうかしたか?」
突然、背後から声がかけられた。
驚いた彼が振り返ると、そこにはこの屋敷の主であり、神城家の現当主神城壱影が立っていた。
「旦那様、お嬢様を探しているのですがどこにもいらっしゃらず……。そろそろ出ませんと学校に間に合いません」
現在時計はは7時45分を指している。
彼女の通う学校は朝礼開始が8時15分なのだが、神城家から学校までは車で約20分かかる為そろそろ出発しないと遅刻になってしまう時間になっていた。
因みに1限開始は8時35分である。
「(ふむ……。大方あそこだろう)どれ、私が呼んでこよう。車の用意を頼む」
そう言うと、壱影は踵をかえし庭に降りた。
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