No.001 再会

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午前6時49分。列車は定刻通り、宮城県仙台市は仙台駅に到着した。列車から続々と人々が降車しては、その面々と入れ替わるように多くの人々が乗車していく。 鶴岡からやって来た無造作な茶髪の彼女も長丁場揺られた列車を後にする。自動改札機に切符を通す。しかし、彼女は駅舎を後にはしなかった。そう、彼女の目的地は仙台ではなかったのだ。 「みどりの窓口」で新たに切符を購入する彼女。渡された切符には「東京」という文字が印刷されている。新幹線の切符らしい。 午前7時16分。「はやて100号」という新幹線がホームに入ってきた。彼女も新幹線に乗り込む。ドアが閉まり、新幹線は東京に向けて出発した。つまり、彼女が仙台に滞在した時間は僅か27分しかなかった事になる。
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