時を越えた少女

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学校にあった古びて小汚い本。あれは江戸の事が書かれていた。 「あの本を開いたからこんな事になったの?」 たぶんアタシはタイムスリップというのに巻き込まれたらしい。 それしか考えられない。 「あんな所に本がある時点で気付けよ…アタシ…」 自分の脳をここまで憎んだのは初めてだ。 「どうしたら戻れるのさぁ~!!」 でも、まずは戻る事より今をどうするかだ。 アタシの格好は制服。 こんな目立った格好だったら周りから怪しまれる。 どうする?! 悩んでいた時だった… 「嬢ちゃん。面白い格好をしているねぃ。」 うわ!見つかった。 少し酒臭い男達が話しかけてきた。 「えっと…その…これはですねぇ…」 頭真っ白… 「ちょっと楽しい事しましょうや。」 ヤバイ!連れて行かれる! 反射神経で足を振り上げた時。 「申し訳ない。私の連れです。」 アタシの振り上げた足を押さえ、男の人が言った。 「へっ!そうかい。ちゃんと見てなよ!」 酒臭い男達は少し残念そうに去っていった。 「大丈夫ですか?」
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