『迅雷』

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朝、冷たい空気に白い息が混ざる。 僕は重い足を引きずるように歩いていた。 無理矢理、足に命令を下し学校へ連行するように。 他人は爽やかに広がる青空に見えるんだろうか。 僕には自分の心を鏡に写し出した曇天の空にしか見えない。 青い空、白い雲、眩しい光を放つ太陽でさえくすんで見えた。 一体、いつからなんだろう… 僕の心が黒に侵され灰色になってしまったのは…
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