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そして長い間沈黙が続いた、その長い間沈黙をわるように琉生が切り出した「ダメだ」麗は驚いた顔して琉生の顔を見つめた 。「どうしてだよ、」ケンちゃんが言った「無理だ確かに兄貴の免許証はあった、けれど兄貴が本当にその彼岸島にいるのか分からないじゃないか疑いたくはないけれども、もしかしたらこれは罠かもしれないんだぞそんな所に親友を連れていけるわけがないだろ。」
今まで黙っていた麗は目にたまった涙を右袖で拭き口を開いた。
「明日の朝9時に南の海岸で待っているわ。きっと貴方ならきてくると信じているわ。」
麗はそれだけを残し暗闇に去っていった。
「俺達も帰ろうぜ」ケンちゃんがみんなに声をかけた時だった、なんとさっきまで倒れていた吸血鬼がいなくなっていた、
辺りを見渡すと、そこには葵をかついだ首のない吸血鬼が物凄い勢いで暗闇に消えていった。
「そんな」
俊介は冷たい砂浜に膝をつかせ泣いていた。
拓也は吸血鬼の跡を追いかけようとした、
「やめろ」琉生が叫んだ、
「きっと葵さんは彼岸島に連れて行かれたね。こうなったら彼岸島に行くしかないな。」
そしてみんなは散っていったまるであらかじめから打ち合わせをしていたように。
翌朝
琉生は必要なものだけをカバンにいれて朝早くに家を出た。
南の海岸に行くには、自転車でも1時間はかかる距離だ、そのために朝早くに起きて家を出た。
実はそれだけではなかった両親を心配にさせたくなかったからだ。
ケンちゃんと桜にもばれないようにしたかった会ったら何を言われるか、これは俺と兄貴のもんだいだ、ましてや友達を吸血鬼の島なんかにみすみす連れていけるわけがない 。
そんな事を思っていたらいつの間にか海岸に着いていた、琉生は麗を探すため乗ってきた自転車からおり持ってきた荷物を持ち砂浜に足を踏み入れた。
麗は意外に近くいた、琉生はてっきり麗一人だと思っていた、だが麗の隣には4人の男女が立っていた。
琉生は一歩近づいてようやく分かった。
「どうして来たんだよケンちゃん 桜。」琉生は泣きながら叫んだ、怒り悲しみ嬉しさ全てが混ざった感情がこみ上げてきた。
「当たり前だろ俺も行くに決まってだろ。」
「私もよ琉生一緒にお兄さんを助けに行きましょ」 「俺らは葵を助けに行くだけだからな。」
そしてみんなは船に乗り込んだ。
麗が船のエンジンをかけて言った。
「みんな乗った行くわよ」
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