24人が本棚に入れています
本棚に追加
幼い頃から剣術や体術、医術にお茶、知策と兵法、さらには刀鍛冶を教えられながら育ってきた。
それはお母さんもおばあちゃんもそのまたお母さんも、同じように育てられた、所謂伝統。
その始まり、初代・美咲鈴華。
初代と言っても、後の世…つまり、私の代まで、その名が名乗られる事は無く、名前を継いだと言う意味で、私が二代目にあたる。
剣術の基礎は新陰流と言う話。
後にあらゆる流派を学び極めた初代は『美咲流』を創設。
代々継がれたそれは、決して表舞台には出はしなかったものの、一振りの刀と確かな技、そして伝書が存在を示してくれている。
幼稚園に通っている頃。
私は伝書を開いて読んだ事があった。
が。
勿論、そんな古いものを読める訳もなく、おばあちゃんに読んでもらった訳で。
私はそれをおとぎ話の様に思い、聞いていた。
最初のコメントを投稿しよう!