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僕の名前は近藤雅司(コンドウマサシ)
今日から高校生だ。
「雅司!急げ!入学式に遅れるぞ!」
真新しい制服を着こなし、手招きしながら体育館の入口に立っているのは河本(カワモト)。中学のとき、一番仲が良かった友達だ。
今この状況で一緒にいるということは高校も一緒だということ。
「わかってるよ。ていうか河本が寝坊するからこうやって慌てないといけないんじゃないか」
河本は基本、面白いヤツだけどいい加減だ。今日だって事前に2人で登校するって約束してたのに、初日から当たり前のように寝坊した。
慌てて体育館に入るとたくさんの人たちが集まっていた。
それもそのはず。今日は高校の入学式だから。
僕が通うことになった県立の、そこまで大きくない高校。
魅力的な高校ではないけど、自宅から近いということもあって入学を決意した。
近所には聖ミカエル女子学園というお嬢様が通う学校があって、もう少しで僕はそこに入学するところだった。
街中で出会ったあるおばあちゃんが実は学園の学園長で、そのおばあちゃんが大変僕を気に入ったらしくて、女子校なのに僕を入学させようとした。
おばあちゃんの好意は嬉しかったけど、僕は正真正銘の男。丁重にお断りした。
そんなことを経て今日はこうやって入学式に出席している。
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